差出人:              赤池 敏宏 [takaike@bio.titech.ac.jp]

送信日時:          20131218日水曜日 16:04

件名:                 良い新年をお迎えください。

添付ファイル:       2013長春だより・秋編ver1b.pdf; 2013長春だより[Final].pdf; bm学会誌細胞認識性バイオマテリアルの設計とその組織工学・DDSへの応用.docx

 

親しい皆様;

本年も大変お世話になりました。昨年の定年後も東京工業大学およびソマール社と文部科学省(科研費基盤研究S)のご援助で再生医工学バイオマテリ アル設計の寄附研究室を設置させていただき、2年が経とうとしています。もう一年,細胞認識性バイオマテリアル設計の立場から頑張るとともに添付 の中国滞在記長春だよりにありますよう中国さらにはアジア全体の平和と幸福のための草の根交流型の研究交流にも努力いたしたいと思います。今年も残すところわずかとなりましたが、皆様には寒さにも負けずご自愛くださり良い新年をお迎えください。東京工業大学 赤池敏宏拝











-------- Original Message --------

Subject:

RegMed-nowvol.45 インタビュー企画『未来医療への挑戦者たち』赤池敏宏 #4

Date:

Wed, 18 Dec 2013 04:22:10 +0000 (GMT)

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RegMed-now編集部 mailto:regmed-now.aa@twmu.ac.jp

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RegMed-now編集部 mailto:regmed-now.aa@twmu.ac.jp

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mailto:takaike@bio.titech.ac.jp

 

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GCOEメールマガジン【RegMed-now
 
::: Vol.4520131218日):::
 
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 こんにちは、RegMed-now編集室です。2013年もあと2週間を残すのみとなりました。何かと忙しくなるこの時期ですが、体調管理をしっかりして今年一年を乗り切りましょう。
さて、お知らせですが、年明けに本GCOEプロジェクトの最終シンポジウムを開催します。本プロジェクト5年の成果の集大成となるシンポジウムですので是非お越しください。当日は書籍「未来医療への挑戦者たち」も配布する予定です。
 
全編無料のPDF版書籍ダウンロードページはこちらからhttp://twins.twmu.ac.jp/gcoe/rmn-book
 
そして、恒例のインタビュー企画ですが、赤池敏宏先生のインタビューもついに最終回となりました。今回は退官された後も広がる先生の夢、そしてパーソナリティに迫ります。どうぞお楽しみください。
 
---目次---------------------------------------------------------------
1. インタビュー企画『未来医療への挑戦者たち』 シリーズ第9弾 赤池敏宏先生
最終回 「ラッキー」を信じてどんどん挑戦を!
 
2. 再生医療トピックス
4回グローバルCOE公開シンポジウム開催のお知らせ
2014/1/11
 
3. ABMESダイジェスト
がん細胞シートを利用した新規担がんモデル動物の作製法の開発 秋元淳ら著
受賞のお知らせ
 
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1. インタビュー企画『未来医療への挑戦者たち』 シリーズ第9弾 
東京工業大学 生命理工学研究科 赤池敏宏先生 
 
【プロフィール】
赤池敏宏(あかいけ・としひろ)
1975年 東京大学大学院工学研究科合成化学専攻博士課程修了・工学博士。東京女子医科大学助手、東京農工大学助教授、東京工業大学 生命理工学部教授を経て、2012年退官後も東京工業大学特任教授として現在も精力的に研究活動に勤しむ。工学と医学との学際領域で生物学と高分子材料工学を真に融合した新しい学問領域の創成を目指す。
 
最終回 「ラッキー」を信じてどんどん挑戦を!
 
学問には国境も垣根もない
 
──先生は国もジャンルも越え、企業と学校の壁も越え、いろいろなところと一緒に様々なことを行っていらっしゃいます。違うものをつなぐときに、触媒として振る舞うこつ、押さえておきたいポイントは何かありますか。
赤池 やはりパーソナリティです。僕は明るく楽観的な気持ちで研究推進するタイプだと親友に言われてきました。それからどんな領域にも違和感を覚えないように年中感覚を磨くとか、いろいろなことを多趣味にやることとかですね。僕も大したことはありませんが。ただ、間違いなくヘテロな環境に適応するタイプの人間です。日本のお役所の壁、学問の壁、理系と文系の壁、そんなものはあってはならない。元を正せば、そんな垣根のなかった人たちの集団なのに、12年、専門教育と称し、垣根のあることをやると交じり合うことがなくなり異分野に尻込みするようになる。フィールドの問題だけでなく、それをこなすためにもできるだけヘテロな興味を持つことは必要だと思います。
いくら優秀であっても自分から性格を暗くして交じり合わないのはだめです。自分だけの領域ができてしまう。そうすると次の時代を託する新テーマが見つからないかもしれない。専門は深められるかもしれませんが。少しでも興味を持つように努力し、興味を持ち始めたら何でもかじる。とりあえずは深くなくてもいいと思います。ポイントがわかってきたらこれはもっと深くやらないと発展しきれないということがわかってくると思います。
 それは学問の領域だけでなく、システムの問題もあります。国境の問題もあります。うかうかしていると国と国との利害関係が成立してしまうことすらありますが、僕はあまりこだわりません。今、長春や北京、天津で共同研究を進めつつあります。韓国の曹先生(ソウル大)とはもう25年共同研究を続けていて100報以上の共同論文や総説を書いています。学問には国境がありません。本当は技術にも国境はない。企業にも国境はないぐらいにしたほうがいいです。企業に国境がなく、ある企業が国境を超えてまったく融合した企業形態を取っていて、技術的にもヘテロに合わされると、どちらかの国だけが得をしているということはなくなるでしょう。
 仲良く、違和感なく付き合える、そのために言葉も重要ですね。趣味は中国語。自分は韓国語が難しいと思ったら、娘には「韓国語のほうがやさしいわ」と励まされますが(笑)。
 
国境も学問も越えた「融合」の仕掛け人
 
──プライベートでの先生の夢はありますか。
 
赤池 アジアを中心に国際交流を深めたいと思っています。特に中国の清華大学とのプロジェクトをずっとやっていました。が、最近数年間は交流の輪を拡げ中国内外で、日中問題を語り広報誌や私信を送って草の根日中友好にかけています。その更なる発展が夢と言ってもいいです。
この領域での学問のまとめもしつつ、新たに領域の掛け合わせをしながら新しい学際領域作りにチャレンジする日中双方の若い人を育て、あわよくば自分自身も老骨ながら成長していく。そういうところが夢です。意欲的で若く小さな企業も絡んでいます。ゼロからスタートしても、この領域での成功が待っているようにしてあげたいと思います。これがきっかけになって、長春応用化学研究所の先生を寄付講座のスポンサー企業に紹介したり、日本側の社長自身が長春を訪問して関係企業間の交流を始めたりしています。しかも若い社員を連れて。
中国政府による1000人著名教授招待プログラムに基づいて、中国特に長春に毎年2ヶ月滞在するのですが、僕にはプライベートもパブリックもなく是非とも色々な意欲的な研究者、企業人の交流の触媒になりたいと思っています。
なぜ人も領域もいろんな要素をこんなにもミックスしているのかというと、最後は融合するという確信があるからです。
経験的にはエントロピー増加則のように自然に混じり合い、しかも1つにハーモナイズしていくようにならないかなあと。人間味あふれた交流をしたい、仕掛けたいです。中国では、向こう(長春)でラボを作ってくれと言われました。ラボを作ると、日本でもらっているのと同じ給料を出せると言うのです。今、中国は、「1000人計画」で1000人の有名なプロフェッサーをいろいろな分野から呼んでいます。ものすごく厳しい審査を受けるとのことで、一昨年は何十ページもの厚い書類を送らされました。
 最初は3か月来てくれと言うのですが、ちょうど日本で新しい寄付講座プロジェクトを始めてしまったから長期滞在は無理で1か月なら行けると言ったらそれでいいと言うのです。行ったら話が変わって、実は2か月だと言う(笑)。もう1回来ないと駄目だと。夏に1か月行ってこれでもう帰れると思ったら、もう1か月と。
それでも行ってみると大きくて立派な部屋をもらいました。
「あなたが9か月間の本格的滞在を決意してくれれば大研究費がつく、ラボもつける、学生もつける」と。しかしながら9か月も行ったらこちらがつぶれてしまうから、徐々に考えていくと言ってあります。企業の人は東工大での3年間は寄付講座として応援するから、それから後は私たちを呼んでもらってここにラボを開きましょうと()
長春は11月末辺りから寒くなって、冬は−30度です。ものすごく寒いです。旧満州国(中国では偽満洲国と必ずをつけます)の首都(新京)です。日露戦争時代には冬に戦ったら死んでしまうので事実上冬は休戦状態だったというような、そういう世界です。先ほどのご質問のまとめと関連すれば、そういう中で教育も、共同研究も、日中友好も実現するプログラムが組めないかと思っています。
 
──ところで先生はいつも楽しそうで、学会会場でも存在感がありますよね。
 
 お褒めにあずかってありがとう。実は私は挨拶代わりに会場に入った直後にできるだけ質問をするようにしています。なんだ、来てるじゃないとかと思われるように!(笑)。あれは特権ですね。その代わりに勉強しないで何も知らない、つまらない質問をしたらどやされてしまうものね。さっそうと手を挙げて、結構いい質問をすると。「来てるじゃない、先生」という具合だね(笑)。その後せっかくの機会というわけで近寄ってくる人が何人かいるという感じです。
僕はこれまでの人生すべてがラッキーだと思っています。そう思っているだけかもしれないですが、まず思うことが重要です。見ていると不幸な人もいます。それはきっかけをつかめていないのではないかと思います。それから性格がおとなしすぎるとか、けちくさいとか、チャレンジしないとか、まじめすぎるとか。自分ほどラッキーな人はいないと常に思えるし、悪い思い出はほとんどないです。
 
──自分はついているから大丈夫と思うと、チャレンジもできますね。
 
 そのセンスは重要ではないでしょうか。人と比較しても仕方ないというのもあります。学生を励ます言葉を雑誌に書いてくれと言われたりして、つい最近では去年、予備校(河合塾)で受験生を元気づける講演してくれと言われたりしました。これは皆さんにも言えます、「好奇心を持ってこれまで学んだことや体験してきたことを掛け合わせると必ず道が開けそうという経験を持っているから、皆さんもそうしたらどうですか。受験生時代を含めて学んで損なことなど一つもありませんでした。何にでも好奇心を持ってください、何にでもチャレンジしてください」と。
 
 
(インタビュアー:RegMed-now編集室/編集:RegMed-now編集室・MDS・シーニュ)
 
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2. 再生医療トピックス
 
本メールマガジンを運営するGCOEプログラムの最終シンポジウムが開催されます。参加費は無料です。当日、ご来場された方には、書籍「未来医療への挑戦者たち」を配布いたしますので、是非会場までお越しください。
 
シンポジウム名:第4回グローバルCOE公開シンポジウム 〜5年間ありがとうございました。私たちは これからも 先端医療を 強く推し進めることを誓います!〜
会期:2014111日 10001700
場所:東京女子医科大学 弥生記念講堂
参加費:無料(事前登録はございませんので当日直接会場にお越しください。)
URLhttp://twins.twmu.ac.jp/gcoe/4thsympo.html
 
3. ABMESダイジェスト
東京女子医科大学先端生命医科学研究所(ABMES)の注目の研究成果をお届けします。
 
がん細胞シートを利用した新規担がんモデル動物の作製法の開発 秋元淳(Jun Akimoto)ら著
 新規抗癌剤の開発過程における新薬候補化合物の抗腫瘍効果の評価などには担がんモデル動物が利用されている。この動物は、通常、がん細胞懸濁液などを皮下に注入して作製されるが、酵素処理により回収した細胞は生体への生着率が低いことが知られている。本研究では、細胞シート工学の特性を利用して、がん細胞シート移植による効率的な担がんモデル動物作製法を開発した。
 
Jun Akimoto, Soichi Takagi, Masamichi Nakayama, Ayumi Arauchi, Masayuki Yamato, Teruo Okano
“Transplantation of cancerous cell sheets effectively generates tumour-bearing model mice” J. Tussue Eng. Regen. Med., In Press.
 
受賞のお知らせ
当研究所所長岡野光夫副学長・教授が「第35回日本バイオマテリアル学会大会」で表彰されました。
学会名:第35回日本バイオマテリアル学会大会(2013/11/25-2013/11/26)
受賞名:Appreciation for distinguished contributions to the progress of the Korean Society for Biomaterials
 
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2013.12.18
東京女子医科大学先端生命医科学研究所グローバルCOE 広報部 RegMed-now 編集室
 
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